【第6回】オフシーズンを迎える顧問の長期展望のスタンス

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コラムタイトル 「 ナカちゃんの吹奏楽指導奮闘記 」

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「オフシーズンを迎える顧問の長期展望のスタンス」

吹奏楽指導に明け暮れる毎日を送っているみなさん(*^。^*)こんにちは!
埼玉県の川口市立青木中学校吹奏楽部顧問の「ナカちゃん」こと、中畑裕太です。

だいぶ秋の色が濃くなってきましたが、この時期に幸せを感じることがあります。
それは、「ジャージを着ながら課題曲の練習をする」ということです。

ジャージを着ながら課題曲の練習をする様子ん??と思うかもしれませんが、これは全国に出場した団体にのみ感じられる風情なのです。
「夏のコンクール」と謳われるように、コンクールといえば、汗水流してロングトーン、けたたましいセミの鳴き声、ジリジリとした日差しに照らせながらスポーツドリンクを一気飲み!
これがコンクールシーズンのイメージですが、全日本は10月の後半なので、このイメージが全く当てはまりません。

肌寒くなり、ウインドブレーカーを着こみ、暖房をつけた部屋で課題曲を練習するわけです。
「夏のコンクール」のイメージとは全然違いますが、「全日本に出るんだなぁ」と感じられる1コマなわけです(*^。^*)

 

 

DVDから見えてきたこと、学んだこと

さて、報告遅れましたが先日の西関東吹奏楽コンクール(群馬会場)にて金賞を受賞、最高位得点(いわゆる1抜け!)で2年連続の全日本吹奏楽コンクール出場を決めました。

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このコラムを書く前に確認したいことがあったので、ジャパンライムさんから発売されているDVD「ナカちゃんの初級バンド改造計画」を観たのですが・・正直、感慨深いです。

あの時は赴任して初めての夏で、県大会銀賞。まさに初級バンドを改造していこうと様々な取り組みをスタートさせたばかりの時で、演奏を聴くと、この時の1年生が2年後に西関東を制覇するとはとても思えない内容でした(^_^;)

ですが、あのDVDに収録した練習メニューを続けた結果であることは間違いありません。

今では初級バンドではなくなりましたが、初志貫徹、地道にこれからも行動4原則を大前提に、素晴らしい音楽と部活を作っていきたいと思います。

DVD「ナカちゃんの初級バンド改造計画」の一コマ

DVD「ナカちゃんの初級バンド改造計画」の一コマ

 

DVDの話をいえば、ジャパンライムさんのDVDは今年もだいぶ参考にさせてもらいました。

特に今回参考にしたのは、玉名女子高校さんのDVD「歌声が聴こえる! 心が伝わる! 玉名女子高校吹奏楽部の歌心あふれるサウンドづくり」です。
「歌心」のある基礎合奏、生徒だけでも日々の活動で十分にできるシステマチックな練習メニューを生徒と共に鑑賞、研究し、少しのアレンジを加えながら一夏やり続けました。

それによって、ただのスケール練習も、ただのロングトーンさえも、ブレスから音のリリースに至るまで歌心ある音の出し方が身に付きました。
DVD「歌声が聴こえる! 心が伝わる! 玉名女子高校吹奏楽部の歌心あふれるサウンドづくり」の一コマ

DVD「歌声が聴こえる! 心が伝わる! 玉名女子高校吹奏楽部の歌心あふれるサウンドづくり」の一コマ

ソルフェージュだけを取り出して、ロングトーンだけ取り出して、練習することも効果はあると思いますが、私はあくまで「本番のチューニングルームやリハーサル室でできる、短時間で効果の高いメニュー」を追い求めていますので、そういう点では、一つの内容で複合的な意味を持つ玉名女子の基礎合奏は、大変勉強になりました(サウンドも明るく深くなったように感じています!)。

 

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新体制で試される『顧問の先を見通す力』とは?

さてさて、どの支部でも大会が終わり、あとは全国大会を残すだけとなった今年のコンクール。
出場する団体も含め、どの団体も来年を見据えての新体制が動き出したのではないかなと思います。

今回は新体制がはじまるにあたり、この考え方をしていないとスタートダッシュで出遅れる・・・内容を説明しちゃいます!!!

オフシーズンを迎える顧問の長期展望のスタンスとして大事なこと!

それは・・・
「年内にはこれを、2月頃にはこれを、春先にはこれを、夏のコンクールではこれを、というように、バンドの技術的、組織的な目標値を時期や状況ごとに明確に設定し、それを踏まえて現時点でのバンドの力量を観察し、都度、見合った課題の作成と曲の選択をする」ということです。

とても難しく書きましたが(^_^;)・・・簡単に説明していきます!

オフシーズンの曲の設定はおそらく「この本番があるからこの曲を。このくらいの技術だからこの曲を」と決めていると思います。

これは間違った選択ではありません…が、「顧問として先の見通しを持っているか」がとても重要になってきます。

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たとえば、
①金管を強くするために、五線内の音域で音色の選択が容易にできる、やや低めのグレードの序曲を選択し、音色やスピード感、発音を意識させる。


②木管の指回しを鍛えたければ、木管の連符が多い曲を選択し、練習の仕方(ゆっくりから等々)を指導し、調性感を養うためにスケールの課題も一緒に伝える。


③サウンドを良くしたければコラールを1曲選んで、グループごとに練習したり歌を歌ったり、ペアに分けて練習し、お互い聴き合う。


 

…ほかにも2年生だけで1曲難しい曲を練習させるなど、その時期と都合に合わせた曲選びに、少しだけ深い考え方を追加するだけで、より効果的な曲選びになると思います。

 

大事なのは『生徒の向上心』をくすぐり続けること

さらに「この曲ではこんなことをレベルアップさせよう」のように顧問が伝えることや、日々の基礎合奏にその時の曲の課題内容を連結(ジャズやポップスの曲を練習している時であれば、タンギング練習をスウィングで練習しちゃう!)させれば、無限大にオフシーズンの練習は濃くなっていきます。

私は曲を多く配り、練習した方が良いと思っています。読譜力もつくし、様々な曲で吹き方や音色の選択を増やしていくことが夏のコンクールで役立つと思っているからです。

でも逆に、1曲をじっくり練習したい、という考え方の人もいます。オフシーズンは練習時間が短いですから、それも含めて生徒の負担にならないように、という付随した考え方もあります。

正解はありませんが、大切なことは「生徒がこの時期、この曲(内容)で何を学ぶか」であるということです。

Still0216_00000そして、それを時期によってレベルを引きあげるということ。
1年間ずっとグレード3の曲を練習するのではなく、定期演奏会や冬の大会のような時は少し高めのグレード曲を練習するなどして、生徒の向上心をくすぐり続けることが大事になっていきます。

バンド全体の練習以外にも、ソロコンに出して個人技術を磨かせる。
全員でアンサンブルを組み、一人一人の責任感を養う。
リトミックを取り入れ、時間のない冬の放課後練習は楽器以外で音楽的能力を身につける。
(ちなみに、私もオフシーズンで緒形まゆみ先生のDVD「まゆみ先生の授業・部活動で役立つリトミック」を参考に、リトミックの練習もしました!)

DVD 「 まゆみ先生の授業 ・ 部活動で役立つリトミック 」 の一コマ

DVD「まゆみ先生の授業・部活動で役立つリトミック」の一コマ

 

その時にバンドの課題を明確に知り、「いつまでに何を身に付けさせたいか」と「そのために必要な練習内容(曲)は何か」を考え続けながら部活の指導に臨むと、グングンと伸びていきます。

(このコラムだから言うわけではありませんが)ジャパンライムさんやその他の会社から発売されている映像資料を、「時期」と「状況」にあわせてチョイスし、研究したり、生徒と鑑賞していくことも近道の一つだと思います。
何でもできるのがオフシーズン、逆に何もしないと何にもならないのもオフシーズンですので、バンドをしっかり見極め、積み重ねっていってください。

最後に、最近知った良い言葉を載せておきます。

M6400030「コンクールは、キセキやマグレは絶対に起きない。
でも積み重ねてきた努力は絶対に裏切らない」

 

 

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■中畑裕太(埼玉県川口市立青木中学校 吹奏楽部顧問)PROFILE
大学時代から外部講師として指導経験を積み、前任校の埼玉県吉見町立吉見中学校で教員1年目から吹奏楽部の顧問に。これまで地区大会で賞をとったことのないバンドをゼロから指導し、就任1年目で地区大会銀賞、2年目に県大会、3年目に西関東大会進出。4年目には2012年全日本吹奏楽コンクールに初出場、金賞獲得という快挙を成し遂げた。

 

 


 

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