【第7回】夏のために冬で学ぶべきスキルとは?

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コラムタイトル 「 ナカちゃんの吹奏楽指導奮闘記 」

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「夏のために冬で学ぶべきスキルとは?」

吹奏楽指導に明け暮れる毎日を送っているみなさん(*^。^*)こんにちは!
埼玉県の川口市立青木中学校吹奏楽部顧問の「ナカちゃん」こと、中畑裕太です。

冬真っ只中ですから、放課後の練習時間は少なく、顧問の先生方も学期末処理や進路指導で部活に顔すら出せない日々が続いているのではないでしょうか。
私も3年生担任ですから、土日しか部活には行けません。辛いです(;O;)

でもピンチはチャンス!

こんな時こそ生徒が成長するチャンスでもあるわけです。

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パートの練習内容を生徒自身に決めさせよう

練習メニューの大枠(例えば、今日は○○の曲を練習)を決めるのは顧問の仕事ですし、この指示を出すのは他愛もないことです。
ですが、この練習メニューの中で「パートの実状に合わせた具体的な練習内容」を生徒に決めさせてください。
その時には必ず「目的と注意点」も一緒に決めさせることが何より重要であることをお忘れなく!
(詳しくは前回のコラムをご覧ください)

私は簡易な提出用のチェック表を用い、

①指定した曲のどの部分を練習したか。


②その部分の目的と注意点は何か。


③達成度及び次回への課題。


 

<例>フルートパート

①○○の曲のAからBまで。


②連符のテンポを60からスタートし、100まで上げる。指と音の移り変わりがずれないようにする。


③70点。1年生は80までしか行かなかったため。次回は100まで行い、更にパートで縦を合わせる。


 

IMG_2004こんな感じの内容で記載させ、帰りのミーティング時に全パート提出させ、アドバイスとこちら側の希望を書き、翌日の朝練習時にパートリーダーへ返却しています。
学級でいうところの「生活ノート、連絡帳」のようなものです。

部活内において、生徒との交換日誌のようなものを使われている先生はいらっしゃると思いますが、具体的な練習メニューについてのやりとりを追加することで、生徒達自身で現状の課題と解決のための糸口を見つけられるようになります。

この力は夏に生きてくるわけです。

それはなぜか・・・

楽曲に向き合う根性と探究心、集中力を養う

このシーズンは1曲にかける時間が少ないですよね?

でも夏はその反対で、1曲ないし2曲に物凄い長い時間をかけることになります。
別の言い方をすれば「1曲(2曲)に飽きずに向き合い、重箱の隅を突くが如くこれでもかというくらいに掘り下げ続ける根性と探究心、集中力が必要」なわけです。

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コンクールシーズンに良く聞く話ですが、
生徒が楽譜を吹けてしまうと練習しなくなる、
県大会出場が目標だったため、いくら合奏をやっても伸びない、
長いこと練習しているので飽きてしまい、次の大会への練習をしているのに、逆に下手になってしまう・・・
こんな経験を先生方も少なからずしていると思います。

しかも生徒は子供ですから、こんな時に先生方がいくら熱く指導されても、生徒に向上心がなければ苦しいというのが正直なところ…。

これを打破するための、曲への探求心や集中力、妥協点の設定方法等を生徒達自身が相互にできるようになると、夏のコンクールシーズンにおける「のびしろ」は無くなることはありません。

夏のシーズンにこの力はつきませんから、冬の今だからこそ、生徒だけで練習している時だからこそ、この力をつけさせてください。
必ず夏に成果が表れますよ(*^。^*)

ちなみに、練習する時間がほとんどないこの時期に、なんとか生み出した少しの時間で生徒をチェックするために合奏を行う場合がありますよね?
そんな時はDVD「植田中・玉谷先生の生徒と創り上げる合奏指導~最小時間で最大効果を発揮する日常練習~」をご覧になってみてください。

DVD「植田中・玉谷先生の生徒と創り上げる合奏指導」の一場面

すべての練習を合奏の中で行いながら、練習の観点や意識付け、練習の哲学を、生徒たちに問いかける玉谷敏弘先生。

 

生徒一人一人を合奏の場でチェックし、さらには個人のスキルアップを図る練習をあえて合奏形式で行う「合同個人練習型」の合奏練習スタイルは大変参考になります!

オフシーズンに鍛えたい「楽器運搬能力」

前置き?本題をつらつら書きましたが、今回のコラムテーマは「夏のために冬で学ぶべきスキル」です。

先述の通り、夏に欲しい力はこのオフシーズンにつけさせなければなりません。
練習に関するもの以外でも私がこの時期に身に付けさせているスキルの一つが、「楽器運搬能力」です。

我々吹奏楽部にとっては切っても切れない活動と言っても過言ではない楽器運搬。

この楽器運搬をただの作業にしてしまうのはもったいない!!!

これが私の持論です。
写真 2016-12-19 15 28 37なぜなら楽器運搬には演奏に生きる様々な力を身に付けさせる秘訣が詰まっているのです。

まず、運搬に関する絶対的な目的は「スピードと正確さ」です。
本番会場では少ない時間で積まなければなりませんし、他団体に迷惑かけるだけでなく、本番前のバタバタは演奏に悪影響であることは言うまでもありません(実際、ここでトラブルことの演奏へのダメージは、大人の想定をはるかに超えて生徒たちには襲いかかってきています)。

私は運搬に関していくつかのルールを作っています。
まずは男子を中心とした5名程度の運搬隊を組織。運搬の軸になる5名ですね。
そして5名含めた全員(場合によって精鋭部隊になるときもありますが)で運搬を行います。
まさに吹奏楽と同じ、「集団による勝負です。

話を戻します。先述の「スピードと正確さ」をつけるために必要な「運搬10箇条」・・・それは・・・

スピードと正確さが身に付く「運搬10箇条」

①運搬は全員、もしくは厳選された精鋭部隊で行う。トラックに乗るメンバーは多くても3名程度。

②トラックの中の完成した積載状態を運搬隊数名が理解する。

③積み込む順番を指示する人間を作る。

④指示されたものに対し、他の生徒は必ず返事をし、反応して素早く渡す。

⑤全員が周りに常に意識を広げ、フォローをする。

⑥積み込むものを事前に記載する「チェックノート」を作成し、当日に記載する係を作る。

⑦効果的に助手席を利用する(壊れやすいもの、小さいもの)。

⑧トラックの中で積み込み作業をしている運搬隊の目の届く所に、これから積み込むものを持ってくる。

⑨運搬中は全員が早歩き、もしくが小走りで、私語は慎む。

⑩運搬終了後、全員でトラックへ挨拶する。

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私は上記を運搬時に常に徹底させるべく、指導しています。

それでは逆に「ダメな運搬の例」を紹介します。
言葉を選ばない言い方をすれば、「地区大会止まりのバンドの運搬」を紹介します。

ダメな「運搬6箇条」

①生徒よりも教師、保護者、運転手が動いている。

②「疲れた~」「重い~」「暑い~」の運搬禁句ワードを連発。

③動いている生徒と、それを見ている生徒と、ただ喋っている生徒が混在するトラック周辺状況。

④単純な忘れ物が多発。

⑤会場に着いてトラックを開けると中がぐちゃぐちゃ。

⑥トラックの運転手への感謝が皆無。

 

このいずれかに当てはまっているバンドで、支部、全日本に出場しているバンドがいたらごめんなさい。
でも、おそらくいないでしょう。

なぜならば…

①⇒自主性がなく、消極的。もしくは怠惰傾向→言われたことしかやらない。顧問の前だけ練習をする。

②⇒心のコントロールが出来ない生徒は、大事な場面でミスをし、人のせいにしがち。

③⇒生徒間での目標に対する温度差、練習内容の温度差が生まれ、一枚岩になれず、人間関係のトラブル多発。

④⇒リードミス、調号確認忘れ、音程や縦がバラバラでも気にしない生徒になる。

⑤⇒詰めの甘さが演奏にでる。演奏への妥協点が低く、探究心が乏しい練習内容になる。

⑥⇒演奏云々の前に人として話にならない。

 

このようにつながっていくと考えられます。

私自身の経験から物をいうと、大会が上がるにつれ、運搬のレベルも上がっていきます(もちろん返事や挨拶、行動面も全てですが・・・)。

すなわち…

「全日本に出る団体は運搬のレベルが高い=運搬のレベルが低い団体は全日本に出ていない」ということになりますよね。

たかが運搬、されど運搬。たかが挨拶、されど挨拶です。 全ては演奏に表れていきますので、このオフシーズンに是非、演奏以外の側面からも生徒に力をつけさせてみてください。

今回の言葉・・・「準備こそ全力投球!!!」

 

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