【第5回】涙の卒業式 ~歌がつなぐ「心」と「学び」のリレー~

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第5回
「涙の卒業式~歌がつなぐ心と学びのリレー~」

2016年3月31日

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こんにちは!
桜の花がちらほら咲き出し、あっという間に新年度を迎える時期となりました。今の時期は、皆様さぞかしお忙しい日々を送られていることと思いますが、お元気でお過ごしでしょうか。

3年間の成長を感じさせ、新たな人生の門出を一歩切り拓いていく卒業式は、やはり胸がいっぱいになります。新たな年度を迎えるごとに教育を継続していく大切さを感じると共に、一人ひとりの生徒の人生に思いを馳せずにはいられません。

今回は、今年度ラストを飾って「卒業式」の様子をお伝えしたいと思います。

 


 

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前回のコラムでご紹介した、2年生の「春に」の合唱もいよいよ披露の日を迎えました。

本校では、学年毎に合唱を披露しますが、そこではもちろん合唱としての質も大事ですが、その歌にどれだけの想いや気持ちが込められているかが大事になってきます。
先輩と過ごした日々、自分の学年としての責任、一人ひとりの生徒が歌うことの意味を持ち、どのようなメッセージを込めたいのか、伝えたいのか、想いを表現することを意識しながら練習してきました。

その合唱場面を、今回は音声と映像でお届けしたいと思います。

 

3年生の入場~エルガー作曲「威風堂々」~

1、2年生が3年生の入場を迎えます。吹奏学部のエルガー作曲「威風堂々」の出だしの序奏が終わると、いよいよ3年生が入場します。

予行練習の時から時間を正確に測りながら、テンポを工夫することで、3年生の着席と同時に、威風堂々が違和感なくピッタリと終わるように計算しながら指揮をします。

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全体合唱~「校歌」(混声4部合唱/アカペラver.)~

式典は、国歌斉唱、校歌と続きますが、校歌は混声4部合唱アカペラで歌います。
校歌は色々なバージョンで歌うように工夫してきました。校歌に愛着を持つことはとても大事なことですね。これは、DVDでも紹介してきたことです。

一年間の最後の卒業式では、全校生徒がアカペラで歌うようにしてきましたが、落ち着きのある、静まる空間でのアカペラ校歌は何とも言えない良さがあります。

 因みに、入学式は吹奏楽の伴奏で校歌(体育館)、運動会では校庭で吹奏楽の伴奏で校歌、合唱コンクールでは、ピアノの伴奏で校歌、そして卒業式ではアカペラとしています。

 

1年生の合唱~「時を越えて」~

さて、いよいよ式典の半ばでは、3年生が「仰げば尊し」を混声4部合唱で歌います。式典の終盤には、いよいよ各学年の合唱です。

コラムのはじめの頃に身体表現で紹介した、元気いっぱいの1年生たちも成長し、男子の声も安定してきました。寒い体育館の中で、じっとしておりコンディションの悪い状態でしたが、1年生は想いを溢れさせながら「時を越えて」を歌いました。

 

2年生の合唱~「春に」~

さて、前回ご紹介した2年生は、混声4部合唱で「春に」を歌います。二年間かけて音楽を深く理解してきた様子と、声の厚みが感じられ、聴いている1年生は憧れの感情を抱き、3年生は、後輩に託せるな、というバトンタッチの気持ちが生まれる瞬間です。

生徒主体で式典が進行するために、この日までに、何度も指揮者とピアノ伴奏者の合わせや練習を重ね、私のたくさんの魂を託してきましたが、本番は見事に達成してくれました。

 

3年生の合唱~「楓」~ 

そして、いよいよ3年生です。歌う前から、色々な思いが込み上げてくる様子が伝わってきましたが、歌っている最中に毎年みんな泣き出します。
音楽の素晴らしさはこういうところにもあると思いますが、メロディーや音空間を通して、その時その時の、自分たちの思い出を辿ることができるのだと思います。

 


 

1、2年生の合唱曲は毎年同じものを選択しています。
したがって、自分たちが実際に歌ってきた経験のある曲なので、指示を出さなくても自ら歌う学年の方に互いに身体を向き合わせます。そして、頑張れ!とかこんな自分たちもあったな…など思い出しながら、どの学年も相手の合唱曲の歌詞を口ずさんでいます。

そんな様子を見ていると、3年間を通して、音楽と共に自分たちがどのように成長してきたのか、また、音楽を通してたくさんのことを学んだことが、今後たとえ音楽に関係してこないことでさえも、生きる力のひとつの礎になっていくのだと感慨深い気持ちになります。

他者と共に生きる、他者と共に関わりながら表現した時間というものは大きな力となっていくことでしょう。

コラムも今回で最後となりました。
ご愛読いただき、本当にありがとうございました。心より感謝しています。

皆様のご多幸とご活躍を祈念して・・・・。

 

■渡辺行野(文京学院大学 児童発達学科 助教授)PROFILE
小中高の校種にて教鞭をとり、各発達段階における豊富な指導実績を持つ。数々の授業実践の中で、幅広い音楽領域(歌唱・鑑賞・創作・器楽・伝統音楽など)の研究を進めている。歌唱・鑑賞教育を重視し、人間教育と関連させた音楽科教育や、小中連携研究のカリキュラム作成など様々な研究で業績を残している。また、前作のDVD「“おんがく”を愛する子どもを育てる!音楽授業における活動アイディア集」では、楽しみながら無理なく力をつけていく指導方法が支持され、好評を博した。雑誌『教育音楽』にも寄稿。2016年から、文京学院大学児童発達学科の助教に就任し、保育士・幼稚園教諭・小学校教諭の養成に力を注いでる。

 

渡辺先生のインタビューはこちら

 


 

☆渡辺先生の音楽授業は、こちらのDVDに収録されています☆

「 生きる力 」 を育む鑑賞授業 ~ 音楽の基礎能力と人間力を伸ばす授業づくり ~

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“おんがく”を愛する子どもを育てる!音楽授業における活動アイディア集 ~身体と声を結びつけ歌唱表現につなげる指導実践~

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