【第3回】学校行事を通した絆づくり~合唱練習風景と演奏会~
第3回
「学校行事を通した絆づくり~合唱練習風景と演奏会~」
2015年12月28日
こんにちは!お元気でお過ごしでしょうか。木々の葉も落ち、寒々しさを感じる季節となりました。
あっという間に年末を迎えましたね。
2学期もしくは前期の後半は、文化の秋として行事等も多く、密度の濃い時間を過ごされたのではないでしょうか。
また、今は年末の業務を抱えられ、とても慌ただしい日々を送っていらっしゃることと思います。
疲れが出てくる頃です。体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。
合唱を通して、仲間との関わりの中で学ぶこと
さて、3年生は進路に向けて、いよいよラストスパートの頑張りをしている頃、2年生は、学校を支える中堅学年の自覚を持ち始める頃ですね。
中学校3年間は、多感で不安定な時期でもありますが、逆にエネルギーに満ち溢れ、一日一日が非常に濃く、充実した時間の連続のように思います。
だからこそ私たちも毎日が激動ではありますが、感動的な気持ちを共感できるのだと思います。
早いもので、今年度も半分以上を過ぎた訳ですが、子どもたちは行事などを通して、色々な部分で成長しているのではないでしょうか。
どんなことでも、その過程が大事で、簡単に何かを成し遂げられることなどないでしょう。
そして、その過程に対して全力で向き合ったり、人との関わりから新しい学びが生まれたりすることで、自分自身が変化していき、自分自身の成長や人生の糧に繋がっていくものだと思います。
また、部活動などの大会や発表に向けて、自分自身に対しての厳しさや辛さなどを乗り切った時に、精神的にも体力的にも大きな成長が感じられるはずです。
私たちも、そんな今を生きている生徒たちに対して、時と場を考慮し、厳しさと優しさを兼ね備えながら、生徒たちを導いてあげたいですね。
学校では、仲間との関わりの中で学ぶことが多いと思いますが、「合唱」もそのひとつだと思います。
本校の合唱コンクール終了時に、私が生徒たちへ送った言葉をご紹介します。
合唱コンクールで頑張った生徒たちへ
日頃から当たり前のように一人ひとりが呼吸をして生きていますが、合唱では呼吸・ブレスを仲間と共に合わせ、一人ひとりの違った声を互いに受け止めながら、一緒に歌う、共に合わせる、身体同士で共に響き合う活動をしているのです。
多くの人が寄り添いながら、一緒にこのような活動をすることは、めったにないことでしょう。
合唱は、一人では成り立ちません。
より良い合唱をつくるために、みんなで意見を言い合い、どうすれば全員の気持ちがまとまるか、どうすれば揃うか、どうすれば人に訴えかけられるか、試行錯誤しながら練習してきたかと思います。
ひとつのことをつくりあげる為に、個ではなく集団で時間を費やし、「音楽を自分たちでつくっていく」ことを実感できたのも、学校生活ならではの得難い体験です。
「合わせる」ということは他者を意識していくことです。
仲間と共に音楽をしていくことを通して、皆さんは大切なものを得たのではないでしょうか。
なぜ、「合唱」なのか、そこには深い意味があることを生徒たちに伝えていきたいものです。
①仲間と共に生きていること
②仲間と自分の声の違いを知ること
③仲間と共に息を合わせること、呼吸を合わせること
④自分の解釈を持つこと
⑤仲間と解釈や考えが違うということ
⑥考えや感じ方が一致することもあれば、違うこともあることを知ること
⑦それぞれの表現を行ってみること
⑧仲間と表現を求め、探していくこと
⑨内から外へ、表出してみること
⑩自分だけでは表現できないことが感じられること
これらが「合唱」で大切になってきますよね。
一人で音楽することと、他者と音楽すること、どちらも楽しいけれど、他者と共に感動できることや、共に乗り切れたことが、子どもたちの心の琴線を揺れ動かすのだと思います。
そのメンバーとその瞬間にしか生まれることのない時間、音楽表現を身体で感じ取ること、そして、その空間にいることが感動に繋がる、そのような音楽経験ができることが大切なのだと感じます。
だからこそ…音楽を通して学ぶことは沢山あるのだと私は信じています。
本校では、文化研究発表会の時期に、合唱コンクールと吹奏楽演奏会を行っています。
その時の合唱練習風景と演奏会の様子を載せてみます。
合唱の練習風景と演奏会の様子
授業後も音楽室に残り、時間ギリギリまで練習し続ける指揮者たち(次の授業に遅れないでね・・・)
パートリーダーや仲間も一緒に残って歌ってくれる^^
授業内でのパートミーティング みんな真剣!!
歌った後に…男子も負けずにパートミーティング! なになに??
今年の文研での吹奏楽演奏会!
本年も、大変お世話になりました。
来年も良き年となりますように。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。では、次回またお会いしましょう!
小中高の校種にて教鞭をとり、各発達段階における豊富な指導実績を持つ。数々の授業実践の中で、幅広い音楽領域(歌唱・鑑賞・創作・器楽・伝統音楽など)の研究を進めている。歌唱・鑑賞教育を重視し、人間教育と関連させた音楽科教育や、小中連携研究のカリキュラム作成など様々な研究で業績を残している。また、前作のDVD「“おんがく”を愛する子どもを育てる!音楽授業における活動アイディア集」では、楽しみながら無理なく力をつけていく指導方法が支持され、好評を博した。雑誌『教育音楽』にも寄稿。2016年から、文京学院大学児童発達学科の助教に就任し、保育士・幼稚園教諭・小学校教諭の養成に力を注いでる。
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